SONY LinkBuds S レビュー|良くも悪くも従来のワイヤレスイヤホン

SONYのLinkBuds Sは、前作の独特なデザインを捨てて、より一般的なワイヤレスイヤホンとして登場しました。

従来のLinkBudsはリング状のデザインで周囲の音を聞き取りやすくしていましたが、LinkBuds Sはこれをやめ、ノイズキャンセリング機能を強化しています。

LinkBuds Sは、シンプルなデザインと使いやすさが特徴で、シリコン製のイヤーチップが耳を密閉し、外部のノイズを遮断します。

そのため、音楽の低音がしっかりと聞こえるようになりました。しかし、この密閉性により、周囲の音が聞き取りにくくなるデメリットもあります。

操作はイヤホンの外側をタップすることで行い、ノイズキャンセリングモードの切り替えや音楽の再生・停止が可能です。

アプリ「Sony Headphones Connect」を使用すると、ファームウェアのアップデートやカスタマイズも行えます。また、新機能としてヘッドトラッキングやLEオーディオもサポートしています。

音質

LinkBuds Sは、前モデルから大きく改善された点として音の出し方(周波数応答)があります。

低音から中音域にかけては、SONYが目指す理想的な音に近づいています。

特に2kHzまでの音はバランスが良く、楽しい音になっています。ただし、200~700Hzの音がやや控えめなのが気になるところです。

このイヤホンは、ほとんどの音楽ジャンルで良い音を楽しめるはずです。

ただし、高い音が少し抑えられているため、繊細な音や高音域の音が少し聞こえづらくなっています。

例えば、歌声やギター、ベースの音ははっきり聞こえますが、ドラム、特にシンバルの音が控えめに感じられます。この点は、アプリで音質設定を少し調整すると簡単に改善できます。

マイクの性能については、静かな環境ではワイヤレスイヤホンとしては十分ですが、周りがうるさい場所では音声がクリアに拾えないことがあります。

街中での使用テストでは、ノイズ処理による音の歪みが目立ちました。

自宅や静かな場所での通話には問題ありませんが、外部ノイズが多い環境では期待できません。

ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリング性能は優れており、低い音に対して効果的で、200Hz付近の音を最大で8分の1まで減らすことができます。

車のエンジン音や芝刈り機の騒音など、低くて持続的な音がかなり静かに聞こえるようになります。

高い音や突発的な音に関しては、イヤホン本体による物理的な遮音が重要になります。

LinkBuds Sは、この面でも十分な性能を発揮します。

自分の耳に合ったサイズのイヤーチップを使用すれば、カフェでの食器の音や人々の会話などもほとんど気にならなくなります。

バッテリー

バッテリー持続時間は約6時間と公称されており、実際にテストしたところ、音楽をピークとなる75dB(SPL) で一定時間出力した場合、1回の充電で5時間41分持続しました。

これはごく普通のバッテリー持続時間ですが、長時間のリスニングをこなすには十分です。

充電ケースはさらに14時間充電可能と宣伝されており、充電ケースを使えば合計約20時間使用できます。

まとめ

総じて、LinkBuds Sは前作のユニークさを捨てた代わりに信頼性と使いやすさを向上させたモデルです。

アプリのEQを少し調整すると音質が非常に良くなります。

価格は税込22,700円で、ノイズキャンセリング機能を求めるユーザーには良い選択肢となります。

常に周囲の音を聞き取りたいユーザーには前作のLinkBudsの方が適しています。

競合製品としては、AppleのAirPods ProやSamsungのGalaxy Buds 2 Proなどが挙げられ、それぞれのメーカーのデバイスと相性が良く、魅力的な選択肢となります。

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