どのオーディオメーカーも、新しい主力製品を出す時には相応のプレッシャーがかかるもの。
すでに強力なラインナップを誇るゼンハイザーともなれば、期待値は天井知らずです。
音質からアクティブノイズキャンセリング(ANC)まで、あらゆる面で前作を超えなければならないMOMENTUM True Wireless 3。
果たしてその実力は?
かなり使い込んでお気に入りになった筆者が、率直なレビューをお届けします。
Momentum True Wireless 3はどんなイヤホンか
Sennheiser Momentum True Wireless 3は、完全ワイヤレスイヤホンの中でも「音質とノイズキャンセリングを最優先したい層」を明確に狙ったモデルです。
価格帯はプレミアムクラスに位置し、日常用途よりもリスニング体験そのものを重視する設計が随所に見られます。
競合にはSonyやBose、Appleの上位モデルが並びますが、Momentum True Wireless 3は派手な機能競争よりも、音の作り込みと遮音性の完成度で差別化されています。
万能型というより、目的がはっきりしているイヤホンです。
装着感と日常利用での使い勝手
イヤーチップとウィングによるフィット感
付属するシリコン製イヤーチップは複数サイズが用意され、さらに耳の外周を支えるウィングが組み合わさります。
耳への収まりは安定感があり、歩行や通勤程度でズレを感じることはほとんどありません。
ただし、ウィングが耳の形に合わない場合は、その安定感が一気に損なわれます。
フィット感の調整に時間をかけられるかどうかが、満足度を左右します。

長時間使用で気になる点
装着直後の快適さは高いものの、2時間前後連続して使うと、耳への圧迫感や疲れを覚えることがあります。
軽量モデルに慣れている人ほど、この違いは意識しやすいでしょう。
長時間の作業用というより、集中して音楽を聴く時間に向いた装着感です。
また、IPX4認証を取得したMTW3は、ある程度の防水性を備えています。
通勤・作業・軽い運動での安定性
日常の移動やデスクワークでは十分な安定性があります。
一方で、ジョギングなど上下動が大きい動作では、フィットが甘いと不安を感じる場面もあります。
スポーツ用途を重視する場合は、専用モデルと比較する余地があります。
バッテリー性能と充電の現実
実使用で感じる持続時間
本体のみでの連続再生時間は5時間半前後。ケース込みで合計約22時間と、突出して長いわけではありませんが、日常利用で困る水準ではありません。
長時間の外出ではケース併用が前提になりますが、バッテリー切れに神経質になるほどではない印象です。
急速充電とQi充電の便利さ
10分の充電で約1時間再生できる急速充電は、使い忘れた日のリカバリーとして十分実用的です。
またQi対応により、置くだけ充電ができる点は、プレミアムモデルらしい快適さがあります。
ノイズキャンセリングはどこまで期待できるか
パッシブとANCの効き方の違い
耳への密閉感が高く、パッシブ・アイソレーションの時点で周囲音はかなり抑えられます。
特に中低域の遮断が安定しており、装着した瞬間から外界が遠のく感覚があります。
その上で動作するANCは、環境音を自然に減衰させる方向性です。無理に無音を作るタイプではなく、違和感が出にくい調整になっています。
通勤・オフィス環境での体感
電車の走行音やエアコンの動作音など、一定の低周波ノイズはしっかり抑えられます。
人の話し声は完全には消えませんが、集中を妨げるレベルではなく、BGMとして音楽を流す用途には十分です。
風切り音や突発音への対応
屋外利用では、風切り音の抑制が効いており、不快なノイズが強調されにくい設計です。
突発的な音に対しても過剰に反応せず、自然な聞こえ方を保ちます。
音質の傾向と向いている音楽ジャンル
高音控えめなチューニングの特徴
全体のバランスは低音から中音を重視した構成で、高音域は控えめです。
輪郭が鋭い音よりも、厚みと滑らかさを優先した音作りと言えます。
そのため、解像感を最優先する人には物足りなく感じる可能性がありますが、刺激が少なく、長時間でも聴き疲れしにくい特性があります。
ボリューム感と聴き疲れのしにくさ
高音が強調されない分、音量を上げすぎたくなる傾向があります。
ただし、無理にボリュームを上げなくても、低音と中音の存在感で音楽の厚みは十分に感じられます。
結果として、作業中やリラックス用途では、自然に音楽に没入できるタイプです。
イコライザー調整の考え方
専用アプリで簡易的な調整は可能ですが、細かな周波数指定はできません。
音を自分好みに追い込みたい人は、外部イコライザーとの併用を前提にすると満足度が上がります。

他の有力モデルと比べてどうか
音質重視モデルとの違い
よりモニターライクな音を求めるモデルと比べると、Momentum True Wireless 3は音楽的で、リスニング向けの味付けです。
正確さよりも心地よさを選ぶ人に向いています。
ANC重視モデルとの違い
ANC性能はトップクラスですが、完全な静寂を作るタイプではありません。
圧迫感の少なさを優先する設計のため、自然さを重視する人には相性が良いでしょう。
Momentum True Wireless 3を選ぶべき人・見送る人
このイヤホンが合う人の条件
- 音質とノイズキャンセリングを最優先したい
- 刺激の少ない、聴き疲れしにくい音が好み
- 装着感の調整や設定に時間をかけられる
別の選択肢を考えた方がいいケース
- 軽さや長時間装着の快適さを最重視する
- スポーツ用途がメイン
- 高音の解像感を強く求める
よくある質問
-
-
Sennheiser Momentum True Wireless 3 機能に関するよくある質問
Sennheiser Momentum True Wireless 3 のよくある質問まとめ。 マルチポイントに対応していますか? 2022 年 11 月 2 日の時点で、MOMENTUM True ...
購入前に知っておきたいポイントまとめ
価格に対する納得感
価格は高めですが、音質とANCの完成度に価値を見いだせるかどうかが判断基準になります。
音質に妥協しないワイヤレスイヤホンが欲しいのであれば、MOMENTUM True Wireless 3は圧倒的に買いです。
多機能さよりも、体験の質にお金を払える人向けです。
設定やカスタマイズが苦にならないか
初期設定やフィット調整に手間はかかります。その工程を楽しめるかどうかで、評価は大きく変わります。
音質に妥協せず、落ち着いたリスニング環境を求めるなら、Momentum True Wireless 3は有力な選択肢になります。
迷っているなら、何を優先したいかを一度整理した上で検討すると、後悔のない判断につながります。