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Maestraudio MA910S レビュー|コスパ最強の1万円未満機種

2022年12月7日

1万円以下の有線イヤホンを探していると、「音場が広い」「分離感が良い」など説明的な言葉が並びます。

本当に知りたいのは、自分のPCやスマホで、YouTubeや映画を観たときにどう変わるのかではないでしょうか。

「Maestraudio」はO2aid株式会社がintimeで培ったセラミック技術をさらにブラッシュアップしたイヤホンブランドとして展開しています。

その中でもMA910Sは、音楽専用機として語ると評価が割れます。

しかし「動画・映画・ゲームまで含めた日常用途」で見ると、話は変わります。

ここでは、カタログには書かれていない「ちょうどいいイヤホンな理由」と「明確な欠点」を両方出した上で、買うべき人・やめるべき人をはっきりさせます。

MA910Sのスペックを翻訳するとこうなる

MA910Sの構成をスペック表で見ると、正直なところ目新しさは控えめです。

ですが、このイヤホンは数値を見て判断すると、実力を読み違えやすいタイプでもあります。

10mmのグラフェンコートダイナミックドライバーと、パッシブ型のセラミックツイーター。

この組み合わせが効いてくるのは、静かな試聴室よりも日常環境です。

たとえば夜、自宅でPCに直挿ししてYouTubeや映画を観る。

音量を上げなくても、セリフ・効果音・BGMが「潰れずに」耳に届きます。

これは解像度が高いという表現より、情報が整理されたまま届く感覚に近いです。

10mm+セラミック構成が意味を持つ「小音量・長時間」

MA910Sの強みは、迫力ではありません。

小さめの音量でも、音の輪郭と距離感が保たれる点です。

  • 音を上げないと聞き取れない
  • しばらくすると耳が疲れる

こうした1万円以下イヤホンでありがちな不満が、比較的起きにくい。

結果として「ながら視聴」「長編映画」との相性が良くなっています。

音質評価|音楽専用で考えると、評価が割れる理由

ここは正直に書きます。

音楽「だけ」で評価すると、MA910Sは人を選びます。

良い点|音が前後に広がり映像コンテンツと相性がいい

音場は横に広いというより、前後方向に奥行きが出るタイプです。

ボーカルが強調されたような表現になるため、映画やドラマでは

  • セリフが近く
  • 環境音やBGMが一歩引いた位置

という配置に感じられます。

密閉型イヤホンにありがちな「頭の中で鳴っている感じ」が弱く、画面の向こう側に空間があるような没入感が出やすいです。

悪い点|中音が主役の人には正直向かない

一方で、中音域、を最優先する人には注意が必要です。

高音と低音はしっかり出ていますが、中音域は完全い抜けているように聞こえるため、この部分が中心になる楽曲を聴く人には物足りなく感じるでしょう。

これは欠陥ではなく、設計上の割り切りです。

だからこそ、用途が合わない人が一定数出ます。

独自視点:試聴では良く、長時間で評価が定まるタイプ

イベントや短時間試聴では「音が広くてすごい」と感じやすいです。

しかし長時間使うと、「なるほど、こういうバランスか」と冷静になります。

この変化を受け入れられるかどうかが、満足度の分かれ目です。

動画・映画・ゲーム用途での実体験的評価

MA910Sの本領は、ここからです。

YouTube|人の声がはっきり聞こえるが、刺さらない

雑談・解説・レビュー動画では、声が埋もれず、輪郭が明確に聞こえます。

一方で、声が前に出すぎないため、長時間再生しても耳に残りにくい。

作業用BGM感覚で流す用途に向いています。

映画・ドラマ|価格以上に没入感が出る

セリフ、環境音、効果音の距離感が自然です。

特に小音量時でも空間が潰れにくい点は、この価格帯では強み。

「ヘッドホンほど大げさにしたくないが、安いスマホ付属イヤホンでは物足りない」そんな場面で、ちょうど良いポジションに収まります。

ゲーム|定位は強すぎず、長時間向き

足音をピンポイントで拾うFPS特化型ではありません。

ただし、音が固まらないため、長時間プレイでも疲れにくいです。

ガチ勢ではないが、雰囲気や没入感を大事にしたい人向けです。

心:cocoroとの違い

形が似ていることから気になる人もいると思いますが、クラウドファンディングで募集されていた「心:cocoro」とかなり酷似しています。

クラウドファンディングで募集されていた「心:cocoro」をイベントで視聴させていただいたのでMA910Sと比較すると、基本的な音の傾向は同じです。

「心:cocoro」の方が音場の広さがやや上な事と、よりボーカルが分離して(ボーカルが手前に)聞こえる事、ケーブルの取り外しができることが異なります。

個人的に「心:cocoro」は昔で言うハイエンドエントリーの音質に音の分離感を足したイメージで、これ以上音質が良くても正直自分には分からない範囲でした。

外観・装着感|数字では分からない部分

Maestraudio MA910S 外観

軽さより「角のなさ」が効いてくる

形は丸みのない箱型のようなデザインでハートの形をしています。ルックスが可愛らしいので女性にもおすすめ出来るデザインです。

一番側面が直角なので、耳に当たって気になる人が出てくる形状です。

長時間の、装着を意識する人は注意しましょう。

ケーブル非着脱という割り切り

ユニバーサルIEM(耳掛け式)になっていますが、ケーブルの取り外しは出来ません。

これは明確なデメリットです。

断線=寿命。

ただし、その分構造はシンプルで、価格にも反映されています。

長期運用・カスタマイズ前提の人には向きません。

結論|MA910Sを選ぶべき人、やめるべき人

最初に聞いた時、この値段でこれだけ音が出るのはすごいなと感じさせられました。

技術的な裏付けがあり、それでいて聞いてみるとちゃんとした音の広さを感じる良機です。

音楽だけでなく、映画/動画/ゲーム など複数のコンテンツと組み合わせにもちょうど良いです。

選ぶべき人

  • 動画・映画・ゲームも音楽も1本で済ませたい
  • 小音量でも情報量を失いたくない
  • 「これで十分」と言える所で止まりたい

やめるべき人

  • 中音域を最も重要視している
  • リケーブル前提で長く使いたい
  • 音楽用途しか考えていない

MA910Sは、派手さよりも、納得感を積み上げるイヤホンです。

もしあなたの使い方がここに当てはまるなら、価格以上に「ちょうどいい」と感じる可能性は高いでしょう。

予算1万以下で音質の良い有線イヤホンを探しているのであれば是非一度視聴してみて下さい!


  • この記事を書いた人

momon

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