Samsung Galaxy S25 Ultraの発売までもう直ぐな昨今、Androidユーザーは「買うか、買わぬか」という選択を迫られます。
多くの場合の明確な答えは「ノー」でしょう。
その理由は、Galaxy S25 Ultraがここ数年で最も平凡なアップグレードだからです。
唯一、これを超える退屈さだったのは、ほぼiPhone 13と変わらなかったiPhone 14です。
Galaxy S25 Ultraは進化を感じにくい
Galaxy S25 Ultraのスペックを見ると、昨年のモデルとの差はごくわずかなのです。
画面は6.9インチとわずかに大きくなり、デザインの四隅が丸くなり、チップセットは新型に刷新。Qi2の充電機能も追加されましたが、磁気機能を利用するには専用ケースが必要になります。
唯一の大きなハードウェアの進化は50MPの超広角カメラです。
これは有用なアップグレードですが、遅すぎる感は否めず、買い替えを正当化するほどの要素かは微妙な所です。
Galaxy S25 Ultra | Galaxy S24 Ultra | |
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価格 | $1,299 | $1,299 |
画面 | 6.9" QHD+ Dynamic AMOLED 2X | 6.8" QHD+ Dynamic AMOLED 2X |
リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz |
チップセット | Snapdragon 8 Elite for Galaxy | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
OS | Android 15 / One UI 7 | Android 14 / One UI 6 |
RAM | 12GB | 12GB |
ストレージ | 256GB, 512GB, 1TB | 256GB, 512GB, 1TB |
リアカメラ | 200MP+50MP+50MP+10MP | 200MP+12MP+50MP+10MP |
フロントカメラ | 12MP | 12MP |
バッテリー | 5,000mAh | 5,000mAh |
防水防塵 | IP68 | IP68 |
カラー | Titan Black, Gray, Silverblue, Whitesilver | Titan Black, Gray, Violet, Blue |
むしろ、S PenのBluetooth機能削除や、Air Gesturesの廃止によりDeXの利便性が低下するなど、退化した部分もあります。
さらに、ワイヤレス充電速度は依然として15Wのままで、米国モデルのRAMは最大12GBと、他社のフラッグシップ(Pixel 9 Proなど)と比べても見劣りします。
SamsungがAIを強く推しているにも関わらず、RAM増量がないのは少し驚きです。
Galaxy S25 UltraのAI機能は本当に独自か?
SamsungはGalaxy AIを前面に押し出していますが、それがS25 Ultra限定の機能なのか、既存モデルにも提供されるのかはまだ不明瞭です。
AIエージェントやマルチモーダル機能などの追加により、音声・テキスト・画像・動画を統合的に処理できるようになりました。
しかし、One UI 7のベータ版で既に「Now Bar」などの機能がS24 Ultraにも提供されているため、最新モデル限定のメリットは少ない可能性が見込まれます。
さらに、Googleの「Circle to Search」などのAI機能は他のAndroid端末にも拡大予定であり、Galaxy S25 Ultraの独自性が薄れてしまっています。
Galaxy A35のような廉価モデルでさえ一部のGalaxy AI機能を搭載していることを考えると、高額なS25 Ultraを購入する意味があるのか疑問な所です。
結論
もし旧型やミドルレンジ機を使っているなら、S25 Ultraへの買い替えは検討に値します。
確かに高性能ではありますが、それでも今回のアップグレードは非常に残念なものに感じてしまう部分が多くあります。
Sペンの機能削減、目立たないハードウェアの向上、そしてAI機能が既存モデルでも使える可能性があることを考えると、S25 Ultraは特に目立った魅力がありません。
$1,300という高額な端末を購入するなら、前年モデルと大差ないものや、競争力に欠ける製品は避けたいのが本音です。