2024年初め、Appleはオンラインと会場の大勢の観客を前に、AirPodsの新たな展開を発表しました。
AirPodsはもはや単なるオーディオデバイスではなく、健康機能を備えたデバイスへと進化を遂げています。特にAirPods Pro 2は、臨床グレードの補聴器としての利用も可能となりました。
アナリストのマーク・ガーマン氏によると、今後さらに多くの健康機能がAirPodsに搭載される見込みです。
彼のBloombergの記事では、心拍数モニター、体温センサーなど様々な生理指標を追跡する技術が検討段階にあると報じられています。
これらの機能をどのように実現するのか。最大の課題は「ユーザーの心拍数を正確に測定すること」だとされています。
フィットネス機能が連携すれば、体の各部から得られるデータを統合し、より包括的な健康管理が可能になるかもしれません。
例えば、ランニング中にAirPodsを着用するだけで心拍数が測定できれば、iPhoneやApple Watchを持ち歩く必要がなくなる可能性があります。ただし、その場合の音楽再生については検討が必要でしょう。
ガーマン氏は、心拍数モニタリングが次世代モデル「AirPods Pro 3」で実現する可能性があると予測しています。このモデルは現在「初期開発段階」にあり、来年には詳細が明らかになると期待されています。
さらに、AirPodsにはフィットネス以外の新機能も計画されているようです。
その一つが、AppleのAI技術を活用したカメラ機能です。Bloombergの別の記事によれば、このカメラはデータを収集し、AIが日常生活をサポートする形で処理するとのことですが、技術の詳細や実用化の時期については明らかにされていません。
懸念点もあります。
AirPodsは非常に小型のデバイスであり、既存のセンサー、ドライバー、バッテリーに加えて、カメラや心拍数モニター、体温計まで組み込むとなると、音響機器としての本質が失われる可能性があります。この変化は、AirPodsシリーズ全体にどのような影響を与えるか分かりません。
個人的には、AirPodsの本来の用途である「音質」により注力してほしいと考えます。
多くのユーザーにとって音楽を楽しむことが主な使用目的であり、その性能向上を最優先すべきです。
現状、Sony WF-1000XM5やBose QuietComfort Ultraなどの競合製品に、音質やノイズキャンセリング性能など総合的に優位性を保てていません。
どれだけ先進的なセンサーやカメラが搭載されたとしても、音質の改善がなければ、真の満足は得られないでしょう。