
Googleの生成AI「Gemini」は、ここ1年でAndroidのハイエンドスマートフォンに統合され、従来のGoogle Assistantに取って代わる存在となり始めています。
Googleは今後、Google Assistantを完全に廃止し、Geminiへの移行を進める計画を発表しました。
Geminiアプリのプロダクト管理シニアディレクター、ブライアン・マーカート氏はGoogle公式ブログ「The Keyword」で述べました。
「今後数カ月で、モバイルユーザーをGoogle AssistantからGeminiへ移行させます。そして年内には、Google Assistantはほとんどのモバイル端末で利用できなくなり、新規ダウンロードも停止されます」
移行対象外のデバイスとは?
「ほとんどのモバイル端末」とありますが、いくつかの例外もあります。
Geminiの最低システム要件を満たさない端末では、Google Assistantの利用が継続可能です。
具体的には「RAM 2GB未満またはAndroid 9以前のOSを搭載した端末」が該当します。
ただし、Android 10は2019年にリリースされており、最新の廉価モデルでも4GB以上のRAMを搭載していることを考えると、影響を受けるのはかなり古い機種に限られます。
スマホ以外のデバイスもGeminiへ
Google Assistantはスマートフォン以外にも多くのデバイスで利用されていますが、それらもGeminiへと移行する計画のようです。
「タブレット、車載システム、スマートウォッチやヘッドフォンなど、スマートフォンと接続するデバイスもGeminiに移行します。また、スピーカーやディスプレイ、テレビといったホームデバイスにも新たなGemini体験を導入します」とマーカート氏は述べています。
この移行スケジュールは「数カ月以内」に発表予定ですが、現時点ではGoogle Assistantの動作は継続されます。
特に注目されるのは、Google Assistantのデビューの場でもあったスマートスピーカーのアップグレードです。
現在、一部のNestスマートスピーカーでGeminiを利用できますが、これは「Public Preview」版であり、Nest Awareの加入者のみが利用可能です。
AmazonがAlexa Plusを準備している今、スマートホーム市場の競争が激化しそうです。
Geminiの強化ポイント
Googleは、Google Assistantからの移行に対する懸念を和らげるため、Geminiの進化した機能を強調しています。
「日常的なGeminiの使用体験を向上させることに注力しており、音楽の再生、タイマー設定、ロック画面からの操作など、最も求められていた機能を追加しました」とマーカート氏は言います。
さらに、Geminiは単なるGoogle Assistantの代替ではなく、より高度なAIアシスタントへと進化している点を強調します。
「Gemini Liveによる自由な会話や、Deep Researchによるパーソナルリサーチアシスタント機能など、AIによって初めて実現できる機能を提供しています。そして、これはまだ始まりにすぎません」と締めくくりました。