完璧すぎる写真に飽きた人たちが、いま5MP・720p動画の化石を握りしめています。
スペックで測れば過去の遺産でしかないiPhone 4が、なぜか最近のSNSで「エモい」と囁かれる理由は、最新機種が捨ててきた「不完全さ」にあります。
ただし、セキュリティという現実を無視すれば、ただの懐古趣味で終わるため安全に使うための線引きを、ここで整理しておきましょう。
なぜ今iPhone 4が再注目されているのか
最新のiPhoneが毎年のようにカメラ性能を更新する一方で、あえてiPhone 4を探し求める動きが静かに広がっています。理由は単純な逆張りではありません。
Y2K(西暦2000年)ファッションや古いゲーム機の再評価と同じく、「当時の空気感ごと残った写り」に価値を見出す人が増えているからです。
SNSでは#digicamというタグが定着し、最新スマホでは再現しにくい粒状感やコントラストの甘さが、むしろ表現として受け入れられています。
iPhone 4は、その象徴的な存在として再び名前が挙がるようになりました。
レトロ写真ブームと古いデジタルカメラの再評価
かつては買い替えの対象だった古いデジタル機器が、今は「意図して選ぶ道具」に変わりつつあります。
コンデジや初期ミラーレスと同じように、iPhone 4も「性能が低いからこそ生まれる偶然性」を楽しむ対象になっています。
完璧に補正された写真ではなく、光の入り方や色の転び方に癖があること。それ自体が被写体の一部として受け入れられている点が、今の空気感と噛み合っています。

最新iPhoneでは出せない写りへの価値
最新のiPhoneは、誰が撮っても破綻しない写真を残せます。一方で、処理が強すぎると感じる人がいるのも事実です。
iPhone 4の写真は、解像感もダイナミックレンジも控えめですが、その分「撮ったまま」に近い印象が残ります。
被写体によっては、今の基準ではノイズや甘さとされる要素が、写真全体の雰囲気を作ります。
この不完全さを理解したうえで選ばれている点が、単なる懐古趣味とは違うところです。
iPhone 4のカメラ性能を今の基準で見る
期待値を誤ると、iPhone 4はすぐに「思っていたのと違う」存在になります。
今の感覚でスペックを見直すと、その立ち位置はかなり明確です。
画素数・動画性能と現行モデルとの違い
iPhone 4の背面カメラは5MPの単眼構成です。動画は720pまで対応します。
最新のiPhone Proシリーズが複数の48MPセンサーと4K動画を備えていることを考えると、性能差は比べるまでもありません。
ズームはデジタルのみで、暗所性能も現代基準では控えめです。
「万能に撮れるカメラ」として選ぶと、確実に不満が出ます。

画質よりも雰囲気を重視する人に向く理由
それでもiPhone 4が選ばれるのは、数値では測れない部分に価値があるからです。
シャープネスが弱く、色もややフラットなため、その結果として被写体との距離感が近い写真になります。
撮影後に強く補正をかけなくても、最初から完成形に近い空気を持っている点は、意外と今のスマホでは得にくいものです。
今iPhone 4を使ううえで避けたいこと
ここから先は、見た目や流行とは切り離して考える必要があります。
iPhone 4はすでにAppleのサポート対象外となっており、扱い方を誤るとリスクが生じます。
サポート終了端末が抱えるセキュリティ面
iPhone 4は長年ソフトウェア更新が行われていません。
現在、Appleから継続的なアップデートを受けられるのは、より新しい世代の端末に限られています。
この状態の端末は、未知の脆弱性が放置されている可能性があります。
日常的なスマートフォンと同じ感覚で使う前提は成り立ちません。
個人情報やアカウントを入れない理由
Apple ID、メール、SNS、銀行系アプリ。
これらをiPhone 4に入れる意味はほとんどありません。
写真専用機として割り切るなら、個人情報を持たせないことが最優先になります。
「何も入っていない」状態こそが、この端末を安全に使うための前提条件です。
レトロカメラ用途として安全に使うための前提
iPhone 4を成立させる鍵は、できることではなく、やらないことを決める点にあります。
ネットに繋がない運用という割り切り
Wi-Fiやモバイル通信を常時オフにし、SIMカードも挿しません。
撮影時は機内モードを基本にします。
この運用にすると、iPhone 4はスマートフォンではなく「撮影専用のデバイス」になります。
不便さはありますが、その分リスクも大きく減ります。

写真データの取り扱い方法
撮影した写真は、ケーブル接続でパソコンに直接移す方法が現実的です。
クラウド同期や無線転送に頼らないことで、余計な情報のやり取りを避けられます。
一手間かかりますが、この手動作業も含めて「道具として付き合う」感覚が、この端末には合っています。
それでもiPhone 4を選ぶ意味はあるのか
ここまで読んで、それでも気になるのであれば、iPhone 4は候補に残ります。
ただし、誰にでも勧められる存在ではありません。
ノスタルジーとサステナビリティの視点
中古端末を再利用することは、結果的に電子廃棄物を減らす選択にもなります。
流行だけで終わらせず、長く使う前提を持てるなら、その価値は小さくありません。
最新iPhoneや他の旧モデルとの住み分け
日常の記録や仕事用途は最新iPhoneに任せます。
表現としての写真だけをiPhone 4に委ねます。
この住み分けができる人にとって、iPhone 4は今でも成立します。
すべてを任せる端末ではありませんが、役割を限定すれば、替えの効かない一台になります。