
Googleは野心的なAI機能の一つである「Deep Think」の新モデルを発表しました。
Geminiアプリ内で利用できる新機能で、最上位モデル「Gemini 2.5 Ultra」の推論能力を大幅に強化するものです。
2025/08/03より、Gemini Ultra(月額249ドル)に加入しているユーザーはDeep Thinkを利用可能です。今後数週間以内には、信頼できるテスター向けにAPI版も公開予定です。
Deep Thinkとは?
Deep Thinkは、複雑な課題や戦略的思考、多段階推論に強みを持つモードです。
AIが回答する前に「考える時間」を持たせるような仕組みで、複数のアイデアを同時に生成・評価・洗練する「並列思考」によって、より人間に近い問題解決力を実現します。
たとえば、コードのデバッグ、Web構築、数学問題の解決などで効果を発揮します。
実際に、2025年の国際数学オリンピック(IMO)基準で「ブロンズレベル」の性能に到達し、「LiveCodeBench V6」や「Humanity’s Last Exam」といった難解な論理テストでも他社モデルを上回りました。
Googleは、数学者ミシェル・ファン・ガレル氏ら研究者と協力し、理論的課題や科学的発見への応用も検証しています。
初期の研究用モデルは解答に数時間を要しましたが、今回公開されたバージョンは日常的な使用を想定して高速化されています。
使い方
Gemini 2.5 Proを使用中のUltraユーザーは、アプリ内でDeep Thinkモードをオンにするだけで利用できます。
より長く詳細な回答が可能になり、Google検索やコード実行などのツールとも連携します。ただし、1日の使用回数には制限があります。
安全性への配慮
Googleは従来通り、安全性を重視しています。
Deep Thinkでは、Gemini 2.5 Proに比べてトーンや内容の節度が向上しているものの、無害なリクエストを拒否する場合もあります。
同社は最先端の安全性評価を実施し、リスク軽減策も継続的に開発中です。
まとめ
Deep Thinkは、アプリ開発や科学理論の検証など、より深い思考が求められるタスクをサポートします。
現在は有料のUltraユーザー向け限定ですが、過去にGemini Proや画像生成機能が無料版に展開された経緯から、今後一般ユーザーにも開放される可能性は高いと見られます。
Googleは今後も競合他社に対抗するため、先進的なAI機能を広く提供していくと考えられます。